婦人科

当院での婦人科診療項目一覧となります。

○おりもの ○不正性器出血 ○月経不順 ○下腹部痛
○性感染症 ○婦人科がん検診 ○子宮がん検診 ○乳がん検診
○卵巣がん検診 ○更年期障害 ○避妊相談 ○モーニングアフターピル
○不妊外来 ○避妊リング ○漢方薬療法 ○プラセンタ療法
○ブライダルチェック ○子宮頚がんワクチン

おりもの(帯下)

おりものが多い、悪臭がある、かゆみを伴うなどの症状は膣炎・外陰炎の可能性があります。

真菌(カンジダ)、トリコモナス原虫、細菌性(ガードネルラ、大腸菌、ブドウ球菌など)などの原因が考えられますが、性感染症(淋菌・クラミジア)の可能性もあって骨盤腹膜炎や不妊の原因となることもあります。早めの受診をお勧めします。

不正性器出血

不正性器出血とは生理以外に不定期に出血することをいいます。

年令に応じて原因が異なります。思春期から若い人の原因では子宮頸がん、ホルモン異常(卵巣機能障害)、子宮頚管ポリープ、子宮膣部びらん、排卵期の出血などがあります。

一方、中年期以降ではこれらの原因に加え子宮体がん、子宮筋腫などが考えられます。悪性のこともありうるので早めにチェックを受ける必要があります。

月経不順(月経周期異常、無月経)

正常な月経周期(生理の始まった日から次の生理までの日数)は25~38日で月経期間は3~7日で排卵後14±2日で次の月経が来ます。

月経不順は無排卵(排卵障害)のためにおこり、その原因は過度のダイエット、ストレス、多のう胞性卵巣症候群などがあげられます。放置すればホルモン異常、不妊にもつながりますので受診なさるように心掛けて下さい。

下腹部痛

月経時の痛み(生理痛)がひどいことを、月経困難症といいますが、常に痛み止めが必要な方は要注意です。

背景に子宮内膜症や子宮筋腫などの疾患の存在がある可能性もありますので受診することが必要です。
又、生理時以外の下腹痛は
①性感染症(淋菌やクラミジアなど)による卵管炎・骨盤腹膜炎の場合
②卵巣のう腫の茎捻転の場合(卵巣のこぶがねじれて痛みをおこしたりする)
③流産や子宮外妊娠の可能性(無月経で下腹痛がある場合)などが考えられます。
いずれにしても早めにチェックを受ける必要があります。

性感染症

性行為やオーラルセックスを介して感染する病気です。

クラミジアや淋菌感染ではおりものやかゆみといった症状がでる場合もありますが、初期はほとんど無症状であることも少なくありません。放置しておくと不妊症の原因になることもあるので早期発見、治療が大切です。

又、外陰部や膣に小さな痛みのないいぼがある場合は尖圭コンジローマが考えられますし痛みのある小さな水疱(水ぶくれ)や潰瘍(皮がむけたようになる)がある場合は外陰部ヘルペスの可能性がある為、早期に治療を始めることが必要となります。

その他、泡状の黄色い悪臭のあるおりものはトリコモナス膣炎によるもので、痛みのないあずき大ほどの軟骨様のかたいできものは梅毒であることもあります。疑いのある時は受診されて早期の診断・治療を受けられることが大事です。

婦人科がん検診

当院は、名古屋市子宮がん検診・乳がん検診実施医療機関です。

子宮がん検診

名古屋市に住民票のある20歳以上の方は2年に一度500円の自己負担で検診を受けられます。
尚、6ヶ月以内に不正出血のある方は子宮頸がんの他に子宮体がんも同時に受けられます。

(子宮体がんの検診を行った場合は、無料クーポンの対象の方であっても
自己負担金500円が発生します。)

乳がん検診

名古屋市に住民票のある40歳以上の方は2年に一度500円の自己負担でできます。
内容はマンモグラフィー(乳房X線撮影)と視・触診です。

40歳未満の方は超音波エコーで検査します。名古屋市の公費負担がないので自費診療になります。

卵巣がん検診

名古屋市の公費負担がない為、自費診療になります。
超音波エコーと採血による腫瘍マーカー検査でスクリーニングします。詳しくはお問い合わせ下さい。

更年期障害

更年期とは卵巣の活動が消失し、月経の停止をみる閉経前後の期間のことで通常50歳前後といわれています。

この時期に急に出現するのぼせ、顔のほてり、発汗、肩こり、冷え、頭痛、めまい、耳鳴り、イライラ、不眠、抑うつ、不安などがいわゆる更年期障害の症状です。

治療法にはホルモン補充療法(HRT)、漢方療法、プラセンタ療法、抗不安薬などがありますが症状の程度に応じてどの治療をするかはご相談の上、一番適するものを選択いたします。又、HRTは症状の改善の他に骨粗鬆症による骨折率の減少と骨量の増加(骨が強くなる)といった効果が期待できるというメリットもあります。

避妊相談

低用量ピル:卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤であるピルを毎日1錠ずつ21日間服用することで99.9%の避妊効果が期待できます。低用量ピルは避妊の他に以下のような副効用もあります。
ピルの副効用(メリット)を挙げますと

1. 月経周期が規則正しくなる。
2. 月経量が少なくなり、貧血も改善される。
3. 月経痛が少なくなり、子宮内膜症の改善もみられる。
4. 長期に服用することにより良性乳房疾患、子宮体がん、卵巣がんのリスクを減少させる、などです。

一方、ピルの副作用(デメリット)といえば
吐き気、頭痛、むくみ、乳房がはるなどがあげられますが服用を続けてもらえば自然に軽減することが多いといわれています。

又、肥満傾向の方、高血圧の方、35才以上で15本以上の喫煙者の方では血栓症のリスクが増えますので、問診と血液検査でチェックします。1~2年に一度乳がん、子宮頸がんのチェックをお勧めします。

モーニングアフターピル(緊急避妊ピル)

「知らないのは愚か、知らせないのは罪」とまで言われ、世界で広く普及しており、避妊しなかったとき、避妊に失敗したときなどに妊娠を回避するための避妊方法です。以下の2通りのパターンがあります。

<<従来のヤッペ法(中用量ピル)>>
性交後72時間以内に一回、さらにその12時間後に一回と計2回服用する方法です。

<<ノルレボ錠>>
平成23年5月に緊急避妊専用薬として認可を受けた薬剤で、こちらは性交後72時間以内に一回の服用ですみます。
吐き気や嘔吐などの副作用も軽く、避妊率も高いといわれています。

しかし、どちらの方法も100%の効果があるものではないので月経が遅れれば妊娠の可能性がありますので必ず受診して下さい。

避妊リング(IUD)

銅付加IUDや黄体ホルモン放出IUD、非薬剤付加IUDなどがあります。3~5年で交換をする必要があります。
低用量ピルに比べて98%の避妊効果といわれています。
受精卵の着床を阻止して避妊するものなので子宮外妊娠がおこるおそれはあります。

不妊外来

不妊症とは妊娠を希望して2年間以上妊娠をしない場合をいいます。

当院では不妊スクリーニング検査(基礎体温、経膣超音波エコー、ホルモン検査、クラミジア検査、精液検査など)とタイミング指導(受精のタイミング)、排卵誘発、人工受精までの一般不妊治療を行なっています。

体外受精胚移植、顕微授精などの生殖補助医薬(ART)は行なっておりませんが、必要とされる場合はART実施医療機関に紹介させていただきます。

漢方薬療法

産婦人科で漢方薬を処方する疾患は

月経不順
不正性器出血
月経前緊張症
月経困難症
更年期障害
冷え症、腰痛症
めまい、耳鳴
頻尿、膀胱炎、性器脱
ストレス、不安、不眠
浮腫、肥満
不妊 などです

これらの病態に漢方薬を十分効かせるには随証治療、すなわち「証」に基づいて処方を決定する必要があります。

すこし難しい説明になりますがここでいう「証」とは患者様の現時点で出ている症状を漢方的診察、すなわち四診(望診・聞診・問診・切診)によって陰陽・虚実・寒熱・表裏、気血水、五臓、六病位などの漢方医学の概念を通して把握して得られる診断であり、治療の指示であるとされています。

つまり、言い換えれば病名に基づいて漢方薬を処方するといういわゆる「病名投与」でなく漢方医学的な診察をした上で漢方薬の方剤を決定するということです。

プラセンタ療法

プラセンタとは胎盤のことで胎児と母体を結びつけ胎児の発育に重要な役割をもち豊富な栄養が含まれています。

薬理作用のうち、自律神経・内分泌調整作用が更年期障害の改善に効果があります。

又、プラセンタの活性酸素除去作用、抗炎症作用、皮膚の代謝、血行促進作用などにより、美白をはじめ肌の3大トラブルといわれるシミ、シワ、ニキビや乾燥肌、荒れ肌、敏感肌、さらに肌の老化など幅広い分野においてすぐれた美肌効果を示すといわれています。その他、乳汁分泌促進作用や疲労回復作用など、さまざまな効果が認められています。

尚、保険適応は今のところ更年期障害と乳汁分泌不全のみで、美白やアンチエイジング、疲労回復などに関しては自費となりますので詳しくはお問い合わせ下さい。

ブライダルチェック(ブライダル検診)

ブライダルチェックとは結婚を間近に控えられた方の全身健康チェックで結婚生活、妊娠、出産などへの影響を検診するものです。次の項目になります。

1. 超音波エコー検査 子宮・卵巣の発育状態、腫瘍の有無
2. 子宮がん細胞診 子宮頸がんの検査
3. 血液検査 貧血、肝機能、腎機能、脂質代謝、感染症
(B型肝炎、C型肝炎、エイズ、梅毒、風疹)
4. 分泌物(おりもの)検査 クラミジア、淋菌、トリコモナス、カンジダ
5. 尿検査 尿たんぱく、尿糖
【オプション】ホルモン検査(卵巣機能、甲状腺)、心電図

子宮頚がんワクチン

子宮頚部(子宮の入り口)にできる子宮頚がんの原因が、ヒトパピローマウィルス(HPV)の
感染によってひき起される事が判ってきました。

主に性交渉により感染し、80%の女性がこのウィルスに感染するといわれています。
感染しても90%以上の人ではウィルスが自然に完治するのですが、
ごく一部に排出されずに残ってしまってがんになるとされています。

この発がん性HPVによるがんが20~30代で急増しています。
頚がんワクチンはHPVの感染を予防するものです。

ワクチンには次の2種類があります。

サーバリックス(2価ワクチン) 子宮頚がん原因のHPV16型18型に対する予防効果
ガーダシル(4価ワクチン) 子宮頚がん原因のHPV16型18型に対する予防効果
尖圭コンジローマ原因のHPV6型11型に対する予防効果

すべての発がん性HPVを予防できるものではないので、定期的なチェックは必要となります。

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